第21回目となった16カンファレンスは先輩スタートアップから学ぶ急成長の秘訣ということで、
株式会社gamba 代表取締役社長の森田 昌宏氏に登壇いただきました!
▼森田 昌宏 ┃History
1970年愛知県生まれ。北陸先端科学技術大学院大学情報システム学博士前期課程修了、NTT研究所で暗号技術の研究開発に携わったのち、NTTコミュニケーションズ経営企画部、KLab(株) 社長室・プロダクトマーケティング部長を歴任し、その後、楽天トラベルへ移り社長室事業戦略を担当。楽天・三木谷社長の経営手法や日報による業績管理の手法に着想を得て、2012年11月にgamba!を創業し、代表取締役社長に就任。(HPより)
「今日は事業の成功体験というよりは失敗体験を話そうと思います」という言葉から始まった森田社長のスピーチ。
2012年に創業し今や国内最大級の日報共有アプリとして認知されている『gamba』ですが、現在に至るまでには森田社長曰く”暗黒時代”もあったのだとか。
そんな失敗談を
「VC(ベンチャーキャピタル)で資金を集めて事業を拡大しようとしたら、危うく会社をつぶしかけた話」
と題し語っていただきました。
そもそも日報とは社内において日々の業務記録を報告するためのものですが、従来は紙ベースであったりWordやExcelなどのデータで保存・共有するのが一般的。森田社長が開発したのは、そんな会社で欠かせない日報をスマートフォンやパソコンで簡単に入力でき共有できるアプリケーション『gamba』。
「一日の業務は、予定していた仕事と予定外の仕事、またそれがうまくいったかいかなかったかで大きく4つに分けられます。日報を共有する上で大切なのは、うまくいったところだけ見るのではなく、うまくいかなかったところを拾い上げてどうすればいいか考えたり、予定していなかったけどやってみたらうまくいったことを拾い上げてルーティンワークに取り入れたり、そういう使い方ができれば必ず会社は伸びます」と強く語ります。
現在およそ3000社の企業が日報に『gamba』を取り入れ、その業種は建築現場や介護職、牧場などさまざまです。
そしてここからは「じゃあ一体どこで失敗したのか?」という話題へ。
5年ほど前(2014年秋頃)、事業を拡大させるためベンチャーキャピタル※で資金を集め始めたという森田社長。
※ベンチャーキャピタル(venture capital、略称:VC)とは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下する。(Wikipediaより)
専門知識をもった優秀な人材を採用していたこともあり、人件費と広告費にお金がかかるためVCから必死に資金を集めなければいけない状況に。ピッチイベントなどで忙しくしているうち、社内のことに目が行き届かなくなり社員と距離ができていくのを感じていたそう。
お金は集まらない、プロダクトは進化していかない、お客さんは増えない…という悪循環のなか、本来ならお客様の契約を増やすことに時間を費やすべきだったところを、運営資金集め優先にしてしまったことで、良くない方向へ行ってしまった…と振り返ります。
事業がうまくいかなくなったことでVCの投資家たちも手を引き始め、ついには従業員を解雇するという苦渋の決断へ。ひとりで再スタートを切ることとなった森田社長は、データ分析の経験を活かし業務委託の仕事を引き受けながら『gamba』の再建へ向けて動き出します。
その力となったのは、養わなくてはいけない家族がいること、そして何より「既存のお客様がサービスを使い続けてくださっている。やめられるわけがない!」という強い想いでした。
この日参加されていた経営者の皆さんたちも、自社の情報共有のあり方を考えさせられる機会となりました。
また、先輩スタートアップとして資金調達や採用なども含めた経営者としての立ち振る舞いも学びがあったかと思います。
森田社長、ありがとうございました!
最後はイチロクポーズでフィニッシュ!