毎月16日(イチロクの日)、「まちにイノベーションを起こす!」ことをテーマに開催している、イチロクカンファレンス。
第11回は、横須賀への熱い想いを持った男性たちによるプレゼンが繰り広げられました。
「地縁(ちえん)型ゴルフ練習場を創る」西尾 勝宏さん
トップバッターは、横須賀市内の工業高校出身である、西尾 勝宏さん。現在、横須賀グリーンゴルフで勤務されています。
西尾さんは、横須賀グリーンゴルフでコミュニティの創造に取り組んでいます。スポーツを通じて、地域とどう交流していくか。どうしたら、地域や来てくれるお客さんに合わせた練習場できるのか。地域とつながった「縁」を大事にしながら発展していくには、どうしたらいいか…そう考えて、従来のゴルフ場の概念を超えたスペース作りを始めました。
その取り組みのひとつとして行っているのが、フロント近くに飾っている「笑顔のひまわり」。練習に訪れたお客さんの写真を撮って貼っていき、それにコメントを寄せてもらうというものです。当初はひまわりの形になるように貼っていましたが、今ではそれがわからなくなるほど、写真の数が増えてしまったそう。フロントスタッフとのコミュニケーションのきっかけにもなっているとのことでした。
もうひとつ力を入れているのが、「YGG地縁店」です。地縁店とは、は協力店舗の総称。近隣の店舗や企業と協力して、地域を盛り上げていく活動をしています。現在は、横浜市から三浦市まで、67店舗が加盟。それぞれの店舗の紹介や勉強会、イベントなどを積極的に開催しています。
今年の秋にも、多くの地縁店が参加するイベントを開催予定だそうです。公式サイトやFacebookページなどで情報をチェックしてみてくださいね。
「UXデザインと花を横須賀に」大谷 晃巨さん
2番手として登場したのは、アートディレクター・デザイナーとして活躍する、大谷 晃巨さん。企業のウェブサイト開発やSNSの運用などを主な仕事とされています。東京都出身で、子どもが生まれたのを機に横須賀へ引っ越してきたそうです。
ウェブサイトのデザインをする上で大事なことは、UX(=ユーザーエクスペリエンス)を意識すること。このサイトを訪れてもらう目的はなんなのか、そのゴールを考えながらデザインをすることで、ターゲットとなるユーザーに適切な体験をしてもらうことができるようになります。大谷さんは、この部分を常に意識しながら、多くの仕事で成果を上げてきたそう。
そしてもうひとつ、大谷さんがこれから進めようとしているのが、ハーバリウムに関する事業。今年から縁あって、花を使ったインテリア雑貨やギフトを販売するサイトを始めたそうです。これから横須賀でオーガニックフラワーの栽培も始めて、ワークショップなどを通じて人が集まる場を作っていければと話していました。
もし花を栽培している農園や、花を栽培できそうな土地を持っている方などをご存知であれば、ぜひ情報が欲しいとのことでした。詳しい事業などについては、公式サイトを見てみてくださいね。
「建築がもつ影響力」田中 宏和さん
3番目に登壇したのは、一級建築士として活躍する田中 宏和さん。兵庫県出身で、神奈川県の大学で学び、縁あって半年ほど前に横須賀にやってきました。これまで、福祉施設や医療機関、公共施設のデザインなど、幅広い仕事に携わってきたそうです。
田中さんのターニングポイントとなったのは、イギリスへの留学だったとのこと。首都であるロンドンは、東京と近い規模の街。しかし、古くからある芸術的な建築が今も大事にされている一方で、新しい建築物も紛れていたり、都会の中に大きな緑溢れる公園があったりーそんな、東京都はまったく違う街並みに、多くの衝撃を受けたと言います。
それから、日本と海外を行き来しながら仕事をしてきた田中さん。海外で学んだ多くのことは、田中さん自身の価値観や仕事にも多くの影響を与えているようです。
これからは、空き家問題の解決など、建築を通して横須賀でも役に立てればと話していました。もし空き家を持っていて困っている方などがいれば、一度声をかけてみてはいかがでしょうか。
Enine design 一級建築士事務所 Facebookページ
「養蜂家から見た三浦半島〜ミツバチは減っているのか?〜」飯倉 剛さん
4番目に登壇したのは、小網代の森を拠点に活動している、養蜂家の飯倉 剛さんです。蜂蜜の生産のほか、企業など養蜂を必要とする組織に技術を教えることを仕事としています。
今回、飯倉さんが取り上げた話題は、ミツバチの減少問題。社会的にはミツバチが減っていることが問題とされているが、本当のところはどうなのか?という話でした。
ミツバチが活動するために必要なものは、蜜源、斜面林、パイオニア植物の3つ。飯倉さんが最初に養蜂を始めた三浦半島の毘沙門地区は、この斜面林があることがミツバチにとって良い環境とのことでした。これは小網代の森も同様で、デコボコしている土地を広げれば、実質の面積は非常に広いそう。ミツバチに必要な植物もあるため、養蜂がしやすい環境とのことでした。
そうした活動をしている飯倉さんから見ると、ミツバチは減っていないんだそう。天敵となる生物から守り、人間がうまくミツバチの協力者になれれば、ミツバチは増えていくとのことでした。同じ食べ物(=植物)を与え続ければ、栄養が偏ってしまう。そうしたストレスをミツバチから除去することが大事なんだそうです。
そんな飯倉さんが生産する蜂蜜は、横須賀市内でもとても人気です。横須賀中央で行われている「食彩マーケット」でも販売されていますので、一度味わってみてはいかがでしょうか。
「聖域なき広報改革」伊藤 翔さん
最後に登壇したのは、地方創生事業に関わっている伊藤 翔さん。幼少期は海外で過ごし、小中高校生時代は横須賀で学んでいたそうです。
伊藤さんからは、これまでの経験から地方創生の事例などを話していただきました。人口減少が続く横須賀で何が必要なのか、これから進む上で必要なことなどに触れられており、横須賀に関わる私たちにとっても非常に興味深い話でした。
横須賀のことを熱く思う人たちが集まった、第11回イチロクカンファレンス。次回は7月14日(金)に開催予定です。
登壇者などの情報は、随時Facebookページで更新していきますので、ぜひチェックしてみてください!