横須賀の「これから」を考えよう!第10回イチロクカンファレンスを開催しました
Posted on 2018.7.18
Conference

毎月16日(イチロクの日)、「まちにイノベーションを起こす!」ことをテーマに開催している、イチロクカンファレンス。

節目の第10回となった今回は、さまざまな立場から横須賀の「これから」を考えるプレイヤーたちの、熱のこもったプレゼンとなりました。

「ゆるキャラから、Vtuberへ」大澤 貴行 さん

トップバッターを飾ったのは、16Startupsの役員でもある大澤貴行さんです。大澤さんが今回紹介したのは、アニメなどのキャラクターやボーカロイドなどに扮したYouTuber=Vtuber。中高生の間で爆発的に流行っており、これから可能性のある分野なんだとか。

Vtuberは人間の動きをトラッキングすることでキャラクターを動かしており、これまでは技術的に難しかったそう。しかし、その技術が発展したことで誰にでも簡単にできるようになり、参加者が激増しているのです。Vtuberとして発信している人の数は2018年7月時点で約4000人。再生回数は全体で7億回を超え、右肩上がりで伸び続けています。YouTubeライブやSHOWROOMといったライブ配信サービスによって、ライブ中に「投げ銭」もできるとのこと。人気のあるアカウントだと、1時間の配信で100万円以上を集めることもあるそうです。

大澤さんによると、これから地方創生に携わる人なら、将来的にVtuberに関わることになるだろうとのこと。自治体や商店街などのゆるキャラを、着ぐるみではなくVtuberとして配信する動きが始まりつつあり、この流れは加速していくのではないかと話されていました。

まだまだ始まったばかりのVtuberですが、9月には技術者向けのハッカソンが横須賀でも行われる予定だそう。気になる方は、ぜひ16Startupsの情報をチェックしておいてくださいね。

「未来に歌い継ぐ 横須賀の名曲〜 大作曲家が横須賀に遺した熱き魂 〜」鈴木 広之 さん

2番目に登壇したのは、フリーランスのITエンジニアとして働きながら、横須賀国際合唱団の代表も務めている鈴木広之さん。合唱王国と言われる福島県のご出身で、結婚を機に横須賀へ移り住んだそうです。

横須賀へ来てからも東京で合唱を続けていたものの、子どもも生まれ、通うことを断念。横須賀の合唱団の情報もあまりなかったため、自ら合唱団を立ち上げました。現在は横須賀市合唱団連絡協議会でも活動をしており、横須賀でも合唱文化を広めていきたいと活動をされています。

鈴木さんの今の思いは、組曲「横須賀」と横須賀市歌の認知度を高めたいということ。有名な作曲家である団伊玖磨さんによってつくられたこの2曲ですが、残念ながら、市民でも知っている人が少ないのが現状。この素晴らしい曲を知ってもらい、合唱に参加する人も増えていけば、と話されていました。

横須賀国際合唱団による合唱の様子は、YouTubeにもアップされています。演奏会も定期的に開催されているそうなので、ぜひ一度聴いてみてくださいね。

Yokosuka International Choir 横須賀国際合唱団

Yokosuka International Choir – 横須賀国際合唱団|YouTube

 

「M&Aで地元企業の廃業を阻止したい」大内 陽平 さん

3番目に登壇したのは、株式会社サンアドバイザリー代表の大内陽平さん。横須賀生まれ、横須賀育ちで、2018年4月に起業したばかりだそうです。

大内さんの会社で行っている主な事業は、M&A。株式や事業の売却、事業承継に関わるサービスを提供されています。M&Aというと、以前はあまり良いイメージを持たれないことも多かったそう。しかし今は、廃業の危機にある中小企業を存続させたり、若手の社長の事業拡大につながったりと、企業にとっても大きなメリットのあるものとして活用されているとのことでした。

大内さんの願いは、M&Aを進めることで、三浦半島にある地元企業が廃業してしまうのを防ぐこと。商工会議所が行ったアンケートによると、事業主の約6割が60歳以上で、3割ほどは後継者がいない状態なんだとか。この状況をM&Aによって打破し、企業の存続や従業員の雇用を守ることにつなげていきたいそうです。

まだ横須賀での相談はないとのことでしたが、事業承継に関して困っている方や事業拡大をしていきたいという方がいれば、ぜひ紹介してほしいとのことでした。

株式会社サンアドバイザリー

「地域でその時期にしか味わえないプレミアムな体験企画」嘉山 淳平 さん

4番目に登壇したのは、横須賀市長井出身で、16Startups役員・市議会議員として活躍する嘉山淳平さん。議員として活動する中で、多くの人から「働く場がない」という悩みを聞き、このシェアオフィス16Startupsを2011年に開設しました。

そんな嘉山さんが新たに挑戦を始めたのが、地元で行われている農業や漁業などを親子で体験してもらうプログラム。地元の人から、「地域の活性化といっても、どうしたらいいか」「地域の何が資源なのかわからない」などの声や、「子育てしながら働けない」「子どもを自然の中で遊ばせたいけれど、どこに行けばいいかわからない」といった声を聞き、今回の活動にたどり着いたんだそうです。

今年に入って、すでにいくつかのプログラムを開催している嘉山さん。採れたてワカメを茹でたり、キャベツや筍を収穫したりと地元の魅力溢れる体験で、参加者の満足度もとても高いようです。農産物や海産物を生産・収穫するだけでなく、生産者が多角的な事業を展開することで、売り上げも伸びていくのではないかとのことでした。

これからは旅行会社などと提携して、より多くのプログラムを提供し、集客を増やしていきたいとのことでした。サイト運営やプログラムのコーディネーター、資金提供など広く募集しているそうです。

地域の魅力体験サイト「シテコベ」

「三崎のマグロのマグローバル化」石橋 匡光 (Masamitsu Ishibashi)氏

最後に登壇したのは、株式会社 三崎恵水産の代表である石橋 匡光さん。石橋さんは城ヶ島出身で、海外留学や広告会社などで勤務したあと、創業実家の事業を継いで拡大させてきました。会社は、今年で創業50周年。2013年からは海外への輸出を行うようになり、現在は12か国に三崎のまぐろを直接輸出しているんだそうです。

石橋さんの会社がほかと違うのは、外食産業を手がけているということ。国内だけでなくシンガポールやアメリカに現地法人を持ち、複数の店舗を経営しています。シンガポールの店舗は、ミシュランガイド2017に掲載された経験もあるそうです。自社で輸出・輸入ができることが大きな強みで、訪れるお客さんの数も順調に伸びているんだとか。

そんな石橋さんが常に考えていることは、「世界一のまぐろ屋」になること。良いまぐろを、その価値を評価してくれる人へ届けるため、とにかく行動していきたいと思っているそうです。

石橋さんは、7月24〜26日に三浦半島で開催される「地域創生トレーニングセンタープロジェクト」にも関わっています。人手が足りていないので、もし関心がある人がいれば手をあげてほしいとのことでした。

株式会社 三崎恵水産

横須賀・三浦半島の「これから」を考えるきっかけとなった、第10回イチロクカンファレンス。次回は8月16日(木)に開催予定です。

開催情報はFacebookページでお知らせしていきますので、ぜひチェックしてみてください。

https://www.facebook.com/16startups/