三浦半島のなでしこ集合!第7回イチロクカンファレンスを開催しました
Posted on 2018.4.18
Conference

毎月16日(イチロクの日)、「まちにイノベーションを起こす!」ことをテーマに開催している、イチロクカンファレンス。

4月16日(月)に行われた第7回の登壇者は、なんと女性ばかり。観覧席も満員御礼、大盛況の会となりました。

五本木愛さん(一般社団法人sukasuka-ippo代表理事)

保護者会からスタートしたsukasuka-ippo

五本木さん代表理事を務めるsukasuka-ippoは、横須賀市療育相談センターの通園部門「ひまわり園」の保護者会から生まれました。

五本木さんをはじめとしたスタートメンバーの7名は、保護者会の元役員。活動をする中で、今まで自分たちが知らなかった情報を得て、「これは保護者の間で共有すべきなのでは」と感じ、活動を始めました。

当初は、園内通信として始めた活動だったそう。しかし、五本木さんらが保護者会を卒業する時期になり、ほかの保護者の方から「続けて欲しい」との要望を受けて、本格的に横須賀市の保護者全体へ向けて情報発信をすることとなりました。

今では、Webサイトでの情報発信以外にも活動を広げています。ひとつは、横須賀商業会議所と一緒に始めたテレワーク事業。なかなか外で働くことのできない障害児の親が、在宅でも働けるように、と始めたこの事業は、2018年ふるさと名品オブザイヤーにエントリーされ、地方創生賞を受賞しました。

障害の有無に関係なく、みんな一緒に学べる場所を

そして、2018年4月に新たに始めたのが、インクルーシブ学童「sukasuka-kids」。ここは、障害があるかないかに関わらず、みんな一緒に過ごすことのできる学童です。

障害児向けの放課後デイサービスも多く開設されるようになった中で、あえてインクルーシブ学童をオープンさせたのは、小さい頃から一緒に過ごせる機会を作りたかったから。「それが、障害の理解につながると確信している」と、五本木さんは語っていました。

今後は、障害を持つ親たちのアイデアを活かしたものづくりをしていきたいそう。商品開発を一緒に行ってくれる企業や、テレワークへの仕事依頼などを募集しているとのことでした。

横須賀のバリアフリー子育て情報局 sukasuka-ippo


小松亜矢子(ライター・看護師)

地域で活躍するコミュニティナース

看護師でありながらWebライターとしても活動する、異色な経歴の小松さん。この春、コミュニティナースとしての活動を開始したそうです。

コミュニティナースとは、「いつも地域の中にいて 〝健康的なまちづくり〟 をする医療人材」のこと。病院や行政、施設の外で、まちづくりをしながら健康維持や病気の予防などに関わるんだそう。

小松さん自身が活動する町田のコミュニティカフェでの事例や、そのほかの地域で活躍するコミュニティナースの事例などを紹介していました。

横須賀に「まちの保健室」をつくりたい

小松さんが横須賀で目指しているのは、「まちの保健室」をつくること。保健室をつくって地域と関わる取り組みは、全国で数多く行われているんだそうです。いくつかの事例を交えながら、地域住民の相談の場として、あるいは居場所のひとつとして活用されているとのことでした。

横須賀でも、そのような保健室をつくりたい、と話す小松さん。まだ具体的には進めておらず、これから仲間を集めて形にしていきたいとのことでした。

横須賀まちの保健室プロジェクトFacebookページ


桒村宰知子(合同会社オン・ザ・ハンモック グラフィックデザイナー、プランナー)

地域活動=デザイン

続いて登壇したのは、合同会社オン・ザ・ハンモックの桒村さん。三浦半島に住む人たちと創るアートイベントや、マルシェ「食彩マーケット」、ストリートフェス「サンデーストリート」など、多くの活動を手がけていますが、その原体験はロサンゼルスにあるのだそう。

デザインを学ぶために留学していたときに、日本人女子向けにLA情報を発信するメディア「JPy(ジェイピー)」をつくった桒村さん。そのメディアが好評で、本来するはずだったデザインの勉強ができていない…と悩んだそうですが、「地域で活動することもデザインのひとつ」と言われ、自信につながったんだとか。

その気づきを活かし、現在は三浦半島の資源を使って「新しい魅力」を創り出し、人や街の活性化につながる活動を展開しています。

三浦半島の「食」と「職」をPRしていきたい

そんな桒村さんが最近手がけた商品が、「食彩GARDEN 三浦野菜栽培キット」。これは、三崎でマグロを加工する際に出る残渣を肥料にした、三浦野菜を自宅で育てることのできるキットです。

収穫した野菜を美味しく食べられるレシピもセット。三浦市の代表産業である水産業や農業をPRできるこのキットは、「神奈川なでしこブランド2018」に認定されました。

次に開発したいと考えているのが、「SHOKUカタログ」。ポストカード式で、その食材の旬の時期に届くという新しい形の商品カタログで、三浦半島の「食」と「職」をPRしていきたいと考えているのだそう。

これから、「SHOKUカタログ」の製作資金を募るため、クラウドファンディングもスタートする予定とのことでした。

合同会社オン・ザ・ハンモック


渡部裕美(海洋研究開発機構・技術主任)

JAMSTECってどんなところ?

最後に登壇した渡部さんが勤めているのは、国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)。深海の研究機関としては世界的に有名な場所で、横須賀市夏島町に本部を構えています。

「JAMSTEC」と言ってもピンと来ない方も多いかもしれませんが、調査船「しんかい6500」などの名前は聞いたことがある方も多いかもしれません。それらを使って調査を行っているのが、JAMSTECなのです。

渡部さんがそこで行っているのは、深海熱水噴出域(温泉)の生物群集に関する研究。その独特な姿や、これまで行われた研究などがスライドに映し出されると、会場から「おお〜」と多くの声が上がっていました。

10年後、20年後にやっててよかったと思われる仕事を

自身が行う研究に関して渡部さんは、「すぐに役立つものではない」と話します。しかし、深海生物の生態が明らかになったり、地球の内部や気候変動に関する研究を地道に進めていくことで、「10年後、20年後に皆さんにやっててよかったと思われるような仕事をしたい」とのこと。

渡部さんの関わる研究は、生態系の解明だけでなく、海底熱水鉱床開発に伴う環境開発にも関わってくるのだそう。海はのぞいてみないと見ることができない場所だけれど、見えない場所でどんなことが起きているのかがわかれば、自分たちの手でより良くできることが増えていくはずだ、と語っていました。

5月12日(土)には、施設の一般解放も行われるそうです。これを機に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)</a


なでしこパワーが発揮された、第7回イチロクカンファレンス。次回もきっと、三浦半島を盛り上げる熱い登壇者が出てくるでしょう。

次回は、5月16日(水)に開催予定です。16StartupsのFacebookページにて、情報は随時お知らせしていきます。ぜひチェックしてくださいね。

https://www.facebook.com/16startups/