第23回イチロクカンファレンス開催レポート┃先輩スタートアップから学ぶ急成長の秘訣!
Posted on 2019.9.14
Conference

 

8/16、第23回イチロクカンファレンスを開催しました!
偶数月となる今回は、スタートアップとして業界に新しい風を起こしてきた先輩スタートアップをお招きし、トークセッションを行いました。
テーマは「先輩スタートアップから学ぶ急成長の秘訣」。
どうぞ最後までご覧ください!


┃登壇者Profile

菱木 豊氏
inaho株式会社 代表取締役CEO
▷鎌倉生まれ、鎌倉育ちの鎌倉っ子。不動産投資コンサルタント会社に入社し、4年後に独立。2014年に株式会社omoroを大山氏らと設立し、不動産系Webサービスを開発運営後に売却。AI導入のコンサルティングや、InstagramのマーケティングWebサービスを開発運営。地域活動のカマコンの運営。最新テクノロジーに関するTheWave塾の事務局等、幅広い分野で活動。(HPより)

 

2017年に設立し急成長をとげているinaho株式会社。新聞や雑誌、テレビなどさまざまなメディアで取り上げられ、イベントで話をすることも多いという菱木さん。
登壇時間30分という短い時間のなかで、まず会場のイチロク参加者から「ここが聞きたい!」の声を集め、それを元にトークを進めていただきました。

 

┃inaho株式会社がやっていること

世界初の自動野菜収穫ロボットを開発。AIによる画像認識によって野菜のサイズや成長を判別し、ロボットアームによって収穫を行います。ロボットは販売するのではなく無償で貸し出し、その収穫高に応じて報酬を得るシステム。現在、すでに佐賀県内のアスパラガス農家で実運用が始まっています。

┃どうしてやろうと思ったの?

もともと自伝を読んだり経営者の話を聞くことが好きだったという菱木さん。そこで「事業で成功している人は時代の潮流にのっている」という共通点があることに気付き、現代のテクノロジーの潮流の中で
・誰もやっていないこと
・社会的に意味があること
・これは勝負できるなと確信が持てること
をやろう!と決めたそう。

 

そんな時、アメリカの会社がレタスを自動的に間引くロボットを開発したことを知り、地元である鎌倉で農家の友人に話をしたら「それもいいけど、雑草をなんとかできないか」という話に。
それまで農業とは無縁だった菱木さんは、実際に雑草取りを体験しその大変さを身をもって知ったのだとか。
別の農家を訪ねた際には「アスパラガスの収穫ロボットを作ってほしい」という声を受け、ニーズ調査をしていった結果、より作業時間が長く負担の大きい「収穫」の作業を軽減できるロボット開発へ動き出しました。

┃まったく未知の世界・・・続けてこれた理由は

「こんなことできたらいいなという構想はあっても、ロボット開発のノウハウが全くなかったため、何もないところからのスタートでした」と菱木さん。専門知識や技術のありそうな大学の先生たち100人以上に「教えてください!」と連絡をとり、共同開発をしてくれる先生と出会えたんだそう。

 

とはいえ会社を設立してから3年くらいは資金繰りに本当に苦労し、自分自身が報酬をとれるようになったのは2018年頃からだったと振り返ります。
どうしてそこまで情熱を持って続けられたのか?という参加者からの疑問に、菱木さんは
「昔は手作業で収穫していたお米も今は機械が当たり前。じゃあ10年後はどうなっているだろう?と考えてみた時に、野菜もそうなっているだろうと。10年後そうなった時、ああやっぱりと苦虫を噛み潰したように見ているのか、それとも自分自身がその中でプレイヤーの一人として活躍しているのかは、今の自分の選択次第なんですよね。」と話します。

 

そして原動力となっているのは、農家さんからの期待と応援の声。なんとしてでも完成させなくては!と責任感を持って挑戦を続けてきました。

 

「農業人口はあと10年で半分になると言われています。当然生産量は減って、一方で人口は5%程度しか減らない。そうすると、野菜がとんでもなく高騰することになります。今私たちがやっているこの事業で、負担なく生産性を上げることができれば、農家の方の畑の拡大にも繋がって、みんなハッピーですよね。」

┃実現させたいと願う『ベーシックインカム』

テクノロジーの進化の一方で、社会的格差が広がっていくことは否めないと語る菱木さん。

「日本でも、ベーシックインカムを実現させたい」と強く願います。

―『ベーシックインカム』
就労や資産の有無にかかわらず、すべての個人に対して生活に最低限必要な所得を無条件に給付するという社会政策の構想。社会保険や公的扶助などの従来の所得保障制度が何らかの受給資格を設けているのに対して無条件で給付することが特徴。(コトバンクより抜粋)

 

「学生向けのキャリアアップ講座で話をしたとき、学生たちが「こんなことをやりたい」と社会的助けになるようなすごくいいことをたくさん語っていました。だけど実現するのは1パーセントくらいでしかなくて、やはりみんな生活していくために、就職活動をして、企業に勤めて…。これがもし、最低限の生活を保障してくれるシステムがあったら、本当にやりたいことに挑戦することができるきっかけになると思うんです。」と、
未来を担う若者にとっても意義のあることだと語ります。

┃最後に

「事業を立ち上げる上で、僕はプロダクトよりもビジョンが大事だと思っていて。明確なビジョンがあれば、人は集まります。しんどい時期は必ずあるけど、諦めないことが大事!」と、エールをいただきました!

 

 

最後はもちろん、イチロクポーズでフィニッシュ!

菱木さん、貴重なお話ありがとうございました!!

 

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