毎月16日(イチロクの日)、「まちにイノベーションを起こす!」ことをテーマに開催している、イチロクカンファレンス。
4月16日(火)に開催された第19回も、さまざまなジャンルの登壇者がスピーチ!バラエティ豊かな顔ぶれとなりました。
<登壇者一覧(登壇順)>
01.『横須賀で暮らし、横須賀で働く』
細山麻実 氏(Team Miasa)
02.『3大グルメを小さく、かわいく』
山田真帆 氏・押切建龍 氏・大原万由子 氏(ぺごぷだ。)
03.『Fly-Yokosuka』
今井拓也 氏
04.『農業 ×(かける)』
鈴木雅智 氏(ブロ雅農園&株式会社BUROMAX(ブロマックス))
05.『音楽家が音楽家として暮らせることを目指して』
宮本史利 氏(一般社団法人よこすかの音楽家を支援する会 代表理事)
06.『「医療」の立ち位置を変えるヘルスケアイノベーションのお手伝い』
山室雅嗣 氏(株式会社エスプリ)
01.『横須賀で暮らし、横須賀で働く』
細山麻実 氏(Team Miasa)
まず最初の登壇者は、『Team Miasa』の細山麻美さん。
本業は別にあるという細山さんですが、得意分野である集客・イベント企画などの活動を3年経たのち、昨年秋に『Team Miasa』を結成。
今後の事業展開や夢を熱く語ってくれました。
「横須賀には豊かな環境と、才能にあふれた多くの人材があります!その才能を地元で発揮できる場所を生み出したい」と細山さん。
まずは、地域企業や個人事業主からのニーズが高く自身の強みでもある”集客力”を活かし、
・人を集めること
・人と人とをマッチングさせること
そして、横須賀を愛する人たちが地元で働ける、地域企業側も地元の人に仕事を依頼できる、そんな環境づくりをしていきたいとのこと。
特に、経験や才能がありながらも子育てや介護などで働きたくても働けない人材がフレキシブルに働けるような環境があれば、これからの横須賀をつくる大きな力になるはず、と語ります。
大きな夢をもって走り出した『Team Miasa』。
これからの活動に期待です!
02.『3大グルメを小さく、かわいく』
山田真帆 氏・押切建龍 氏・大原万由子 氏(ぺごぶだ。)
続いての登壇は現役高校生3人組!グループ名である「ぺごぷだ」は、韓国語で「おなかすいた」という意味なんだそう。
「横須賀に若い観光客を呼び込みたい!」という想いのもと、3人が代わる代わるマイクを持ち、力強いスピーチを聴かせてくれました。
「横須賀はオッサンに優しい街だと言われています。なぜかというと、安くて美味しい居酒屋がたくさんあるからです」と冒頭から会場の笑いを誘います。これはきちんとデータが出ていて、横須賀に訪れる観光客の20%は40代男性なんだとか。それに比べて、20代女性の割合は4%ととても少なく、彼らはもっと若い人たちに横須賀に来てほしい!と、『ぺごぷだ。』として活動を始めました。
そこで考えたのは…
「若者に影響力のあるSNSを使って、横須賀に興味を持ってもらえるようにSNS映えグルメをつくりたい」ということ。
横須賀の3大グルメである
・よこすか海軍カレー
・ネイビーバーガー
・チェリーチーズケーキ
をぎゅっと小さくして指でつまんで食べられるフィンガーフードにした、その名も「ベイビーネイビープレート」を考案し、商品開発に向けて試行錯誤中だそう。それぞれを小さく可愛くすることでSNS映えすること、また、フィンガーフードにすることで食べ歩きしながら他のいろんなお店を見て回れることなど、若い女性の観光客増加につながるのではと考えています。食べた人にはSNSでシェアしてもらうなど、消費者自身に広告になってもらい認知度を上げて、持続的に観光客をのばすという狙いまでしっかりとあり、横須賀の未来を担う若者たちの活動に期待が高まります!
今後はイベントへの出店などから、販売への実現へ向けて頑張っていくそうです。
03.『Fly-Yokosuka』
今井拓也 氏
3人目の登壇者は今井拓也さん。
横須賀出身で鴨居育ち、建築設計や食肉加工など多彩な経験をお持ちで、現在は(株)エルムジャパンの代表をしていらっしゃいます。
が!今回のスピーチはそのどれでもなく、ドローンが主役のお話。
タイトルとなっている『Fly YoKosuka』は、”飛び視点で横須賀を見る”という意味が込められています。
数年前から話題になり、現在はさまざまな場面で実用化されているドローン。
今井さんもその魅力にハマった1人のようで、今ではドローンオペレーターとして横須賀で活躍されています。
これまでの撮影実績は、
・ウィンドサーフィンW杯横須賀大会
・記念艦三笠のライトアップ
・走水水道局の桜
など公式に依頼を受けたものから、
・鴨居幼稚園の子どもたちが園庭であげたこいのぼり
・鴨居八幡神社の例大祭
など地域に根差した撮影までさまざま。
また、最近よく依頼を受けるのは、一般家庭の屋根の撮影。雨漏りや、瓦が飛んだり破損していないか確認をするのにとても重宝されているのだとか。「気軽に、便利に利用していただければ」と今井さん。撮影依頼はFacebookなどからも受け付けているそうです。
今井拓也┃Facebook
Yokosuka Drone Photography┃Facebook
04.『農業 ×(かける)』
鈴木雅智 氏(ブロ雅農園&株式会社BUROMAX(ブロマックス))
続いては農業のプロフェッショナル、『ブロ雅農園』鈴木雅智さんが登壇!
農業高校で教員として11年間勤めたのち、農家として本格的に農業を始めたのは4年前。実は奥様の方が農業歴15年と長く、ベテランなのだとか。
ブロ雅農園の「ブロ」はブロッコリーからきていて、常時100種類以上の野菜を育てている中でも神奈川県一と言われるほどの代表野菜。ブロッコリーだけでも10種類以上あるというから驚きです。
農園の野菜はほとんどが農薬不使用で、コーヒーかすやお茶がらを肥料にすることで野菜が甘くなるんだそう。
他の農園にはないような珍しい野菜も育てているため、レストランなどからの需要も高く出荷先はさまざまです。
そんなブロ雅農園の鈴木さんが熱く語るのは、「栽培するだけが農業じゃない!」ということ。
農業はいろんなものと相性が良く、たとえば【農業×Facebook】。農業では当たり前のことが、意外と一般的には知られていないことに気づき、細かな知識や情報を発信。また、規格外で売り物にならない野菜たちに顔を描いてアップしたりと、いろんな人の目に留まるような投稿をしているうち、あちこちから見学や講演依頼が来たり、メディアへの出演も増えたのだとか。これまで全く売れなかった黒キャベツが、軽井沢のフードフォトグラファーでプロ料理人の目に留まり、おしゃれで写真映えする料理に変身!というエピソードもあり、そんな出会いからまた新たな発見があるそうです。
また、人手はあるけど仕事がない「福祉」と、仕事はあるけど人手が足りない「農業」をうまくマッチングさせた【農業×福祉】にも大きな可能性を感じています。
「農業は可能性のかたまり!いろんなものと組み合わせることによって無限大になると思う」と鈴木さん。
農業の面白さ、楽しさが伝わってくる熱いスピーチでした!
ブロ雅農園┃Facebook
おいしいをつなごう!三浦半島 食彩ネットワーク
05.『音楽家が音楽家として暮らせることを目指して』
宮本史利 氏(一般社団法人よこすかの音楽家を支援する会 代表理事)
続いての登壇者は、オペラ歌手であり(一社)よこすかの音楽家を支援する会(通称YMSA)の代表理事を務める宮本史利さん。
長い間イタリアを拠点に出演を重ね経験を積まれてきた宮本さんですが、師匠である方の地元愛の強さに感銘を受け、自身も地元に貢献することが音楽家の使命なのではと思い立ち、2015年2月にYMSA(YOKOSUKA Musician Support Association)を設立。現在は地元である横須賀で音楽イベントの企画を中心に活動されています。
YMSA設立の目的は、収益として成り立つコンサートを創っていくこと。
タイトルにあるように「音楽家が音楽家として暮らす」ことは決して簡単ではなく、その理由としては、音楽など文化活動に対しての補助金が減ってしまったという背景や、演奏家自らがチケットを販売しなければいけないという現状があります。
コンサート直前の一番忙しい時にチケットの販売に労力と気持ちを割かれていては音楽そのもののレベルも向上せず、練習に専念できないことで意欲が低下、そしてコンサートが続いていかない…という悪循環が生まれているのだそう。
YMSAでは入場料500円で本格的なコンサートを楽しめる「ワンコインコンサートシリーズ」をはじめ、
赤ちゃん連れでもOKの「泣いてもいいよ!コンサート」、「祝敬老コンサート」、「よこすかニューイヤーコンサート」など、気軽なものから本格的なリサイタルまで企画。継続して開催することで、観客も音楽家も年々増えているそうです。
音楽家へのチケットノルマは課さず、収益の中から出演料を渡すことにしています。
「将来的には、横須賀ならではのコンテンツ、音楽祭を開催できたらいい」と宮本さんは語ります。
横須賀の音楽文化のさらなる飛躍、楽しみです!
一般社団法人よこすかの音楽家を支援する会(YMSA)
宮本史利┃Facebook
06.『「医療」の立ち位置を変えるヘルスケアイノベーションのお手伝い』
山室雅嗣 氏(株式会社エスプリ)
本日最後の登壇者は、株式会社エスプリ代表の山室雅嗣さんです!
北海道小樽出身で、横浜に住んで10年になるそうです。
会社員として働いている時から、常に自由人だったという山室さん。本業の傍ら、有限会社を立ちあげ知人の開発したソフトウェア販売を行ったり、自由時間に好きな事をやる!というのがモットーだったそう。
その有限会社を経て、2017年に株式会社エスプリを設立。得意分野であるプロジェクトマネジメント力を活かし、ヘルスケアサービスをプロデュースする会社として、他社の事業立ち上げのお手伝いをしていらっしゃいます。
「ヘルスケア」といえば幅広いですが、健康とは肉体的・精神的・社会的に満たされている状態のこと。山室さんは、その中でも心と社会的な部分をやっていきたい、と語ります。
また、医療の立ち位置を変えるというテーマについては、例えば病院の役割として症状の聞き取り、病気の推測、検査、そして治療へという流れがありますが、近年のIoTの普及・解析技術の進化などによって、推測や検査の前段部分が省略できればあとは治療だけとなり、「医療」「病院」という立ち位置を変えられるのでは、というお話も。
「やりたいことはたくさん。お話するには時間が足りません!」と山室さん。
また是非お話しに来てください!
というわけで、6人の登壇者それぞれの想いが溢れたイチロクカンファレンスとなりました。
最後はお馴染みイチロクポーズでフィニッシュ!
次回もお楽しみに!