第25回イチロクカンファレンス開催レポート!先輩スタートアップと「地方×スタートアップ」をテーマにトークセッションしました!
Posted on 2019.10.22
Conference

10/16に開催された第25回イチロクカンファレンス。
偶数月は「先輩スタートアップから学ぶ急成長の秘訣」ということで、スタートアップとして業界に新しい風を起こしてきた先輩スタートアップをお招きしています。

 

今回のゲストはこの方!

日本最大級オープンイノベーションのプラットフォーム「Creww」を運営するCreww株式会社の小田 健博さんです!

 

小田 健博氏

Web制作会社、映画会社、広告代理店の営業・プロデューサーとして日本や上海で大手メーカー、化粧品会社などのコンテンツ企画や広告プロモーションを担当。2016年crewwに参加後はアクセラレータープログラムのディレクターとしてスタートアップと大手企業の新規事業創出やマッチング、またコワーキングスペース「dock-Toranomon」のコミュニティマネージャーとして様々な面からスタートアップ支援を行う。
WEB SITE▷ https://creww.in/

そして今回は、「地方×スタートアップ」をテーマにトークセッション形式で行いました。
横須賀のような地方都市でのスタートアップの成長戦略、資金調達、大企業とのコラボレーション、チーム作りなど、たくさんのヒントをいただきました。どうぞご覧ください!


小田 健博(Creww株式会社)×  相澤 謙一郎(タイムカプセル株式会社)


同じスタートアップを運営する立場としてこの2人のトークセッションが実現しました!

 

愛知県出身という小田さんですが、現在は藤沢市に住んでいるとのこと。
実は藤沢市、都心からの距離や人口規模などが横須賀市とほぼ同じということで、「親近感がわく」と相澤。しかし近年は、人口40万人を超えてきたという藤沢市に対し横須賀市の人口は40万を割ってきており、差が出ていることも確か。

 

相澤)小田さんから見て藤沢市ってどんな街ですか?

 

小田さん)のんびりしていて、子育てしやすい街という印象ですね。大きな産業はないですが、大学がいくつかあるので、何かしたい!と思う若者は多いんじゃないでしょうか。

 

しかし神奈川県内には鎌倉・箱根・湘南など有名な観光地がたくさんあるものの、スタートアップは少ない印象です。

 

小田さん)株式会社Crewwには現在、4200社のスタートアップ登録がありますが、その8割が東京です。大都市である大阪や横浜でさえ少ない。
やはり東京は、人材・資金・情報…すべてが集まる場所なので当然なんですが。神奈川の人は東京に行けちゃうので、あえて神奈川を拠点に起業する理由がないんでしょうね。

スタートアップには『アクセラレータープログラム』を活用すべし!

アクセラレータープログラムとは、大手企業がスタートアップ企業に対して出資やサポートを行い、一緒に事業の成功を目指すプログラムのこと。「アクセル=加速」という意味からもわかるように、成長スピードを加速させることをメインの目的としています。アメリカで主流になっているプログラムですが、最近では日本でもアクセラレータープログラムを積極的に運営している企業が増えているようです。

 

相澤)やはり個人が一から起業するとなると、経理や総務、営業といったいろんな役割を少人数でこなさなければいけないから、自力で事業を構築するにはかなりの時間と労力がかかってしまう。だから企業と契約することで、その企業が持ってるリソースを使えたりとか、バックオフィスがしっかりしているぶんいろいろな心配もなくなりますよね。

 

小田さん)スタートアップ企業にとっては大企業と手を組めるチャンスですし、大企業側にとっても自社では思いつかないような起業アイデアと出会えたり、それが新規事業として展開できる可能性がありますから、これを活用しない手はないと思います。アクセラレータープログラムは、スタートアップに使ってもらって初めて生きるので。

相澤)とはいえ、大企業側も、成功するかどうかわからないモノに対してそう簡単には投資してくれないというか。歯車が合わないこともありますよね。どうやって投資意欲を持ってもらうか、というのが鍵だと思うんですが。

 

小田さん)それは私としても試行錯誤していかなければならないところですね。スタートアップに投資するメリットを理解してもらわなければ難しい。
Crewwではスタートアップと大企業をマッチングした後に、スタートアップ企業と一緒に事業プランを作っていくんですが、実証実験をして結果を見たうえで、大企業側が「これは新しい事業になりえる」「投資してもいい」と判断したら成功、という。

 

どうやったら地方にスタートアップが生まれるか?

相澤)Crewwさんは全国いろんな地域でスタートアップをされていますが、今注目の地方ってありますか?

 

小田さん)福岡市や神戸市などは、市が主体となってスタートアップに力を入れていて、助成金も多く出ていたり、そういった行政のバックアップがあることで、スタートアップが活躍しやすい環境が作られてきていますね。今年は愛知や広島・島根でもプログラムを一緒に進めています。

 

相澤)私もこの横須賀で、やはり市と連携してやっていきたいんですが、やはり予算の問題でなかなか。毎年組まれる市の膨大な予算の中で、もちろん必要経費で然るべき分配がされていると思うんだけれども、私たちスタートアップに限らず民間企業とのコラボレーションだったり市民に対するサービスの向上に使うことで、結果的にコストダウンに繋がる可能性もあるかもしれないですよね。

 

規制がないものを新たに創る。それには行政の理解と協力が不可欠

小田さん)例えばトヨタの自動運転もそうですけど、技術はあっても規制がないから出来ないことも多い。スタートアップは基本的には世の中にまだないものを創ることでもあるので、規制されてないものを新たに創って世に広めるというのは、民間企業では難しいんです。
行政がそれを理解して、新しいスタートアップのアイデアを確認する場所が必要になってきている。理解がある自治体と組めると、うまくいくケースが多い。

ズバリ、この三浦半島地域での可能性は?

小田さん)ここは海も山も近いので、農業・水産業系は強いと思います。地域の課題であったり、逆に地域が昔から持っているような強みだったり、そういう地域特性を活かした事業サービスに注目してみるとか。

 

相澤)確かにそうですね。やっぱり昔から住んでいると、山があって海があって、それなりの教育機関もあって…ある程度満たされてしまっているもんだから、その魅力に気付きにくくなっている。海洋研究のJAMSTECや通信開発拠点となっているYRP、久里浜には国土交通省の研究機関があったり、そういったところとコラボレーションできたらと思うものの、実現できていないのが現状です。

 

小田さん)それから、大学があるのは強いですよ。研究室から生まれるスタートアップって実は多くて、でもなかなか表には出てこない。研究を事業に変えていけるような仕組み作りができればいいですよね。

 

【まとめ】エリアで成功していくための注目すべきポイントは・・・

  1. アクセラレータープログラムの活用
  2. 自治体・行政との連携
  3. 地域特性を活かした事業サービス
  4. 大学の研究室が熱い!

 

 

その後は、会場の参加者を交えてディスカッションタイム!

 

  • 起業したものの人材や資金集めに課題を感じている・・・
  • 商品を作ったはいいけれど売り込み方や経営戦略がわからない・・・

といった参加者の声に対し的確なアドバイスをしてくれた小田さん。

 

 

最後はお馴染み、イチロクポーズでフィニッシュ!

小田さん、お忙しい中ありがとうございました!

 

次回のイチロクカンファレンスもお楽しみに!!